11月28日、第7回目となるまちづくりフェスティバルが郡上市総合文化センターで開催されました。
今年は例年取り組んでいた講演事業を別日に単独開催したので、今回は、市民・地域団体の活動報告と、中高生対象の提案型まちづくりイベント『GOOD郡上プロジェクト』の2つがまちフェスのメイン事業となりました。
市民団体活動の部では、行政パートナー事業として22年度から大和庁舎の窓口業務を受託しているNPO法人 コミシス郡上の活動経過が報告されました。
コミシス郡上は総合案内窓口と市民窓口の業務以外にも、ロビーを活用した市民サロンや子連れのお客さんに対応したキッズコーナーの運営などを事業運営されており、市民サービスの充実に大きく貢献している団体です。
地域で活躍する団体として発表いただいたのは、小那比夢ビジョン実行委員会の活動です。人口減少と若者の流出の激しい地域の現実に対して、地域資源を活用した産業の活性化として、小那比茶の生産と、お茶ドリンクの販売を開始し、茶摘み体験のツーリズムや地域のお茶を使った地域料理の開発など精力的な取り組みを報告していただきました。
中高生からのまちの課題解決提案である『GOOD郡上プロジェクト』は、単に良いアイデアを選考するだけでなく、選考された提案を市民協働で実現しようという取り組みです。
昨年提案されたアイデアの中で、今年は2つの提案が具体化しました。
その1つが、『中高生鮎釣り選手権』の実施です。若い頃から地域文化である鮎掛けに触れ、若者の釣り人口を増やそうと計画されました。
生徒達は一年がかりで実行委員会を組織し、市や関係団体の支援を取り付け、漁協や釣り団体に運営協力をしてもらいながら、鮎釣り講座と実技講習を事前にレクチャーを受け、今回は小規模ながら、郡上市内の中高生鮎釣り選手権を開催しました。
もう一つは、郡上の食材を使った、観光向け商品として『鮎のカルツォーネ』の商品化の提案でした。
郡上ブランドの鮎をメインに、郡上の特産野菜を利用し、歩きながらでも食べれる食材を作ろうということで、自分達も試行錯誤しながら鮎のカルツォーネを施策しました。
その提案を受け、市内のイタリアンレストランのシェフが試作品の制作に協力してくれることになりました。
プロが作る料理であるため、大変美味しい試作品が完成しましたが、食材費のコストを考えると、生徒達が考えるような価格では制作が難しいことも判明しました。
せっかく作ってもらった試作品なので、まちフェス当日参加者の皆さんに一口づつ試食していただきました。
今年のGOOD郡上プロジェクトには、5校、82提案、226名の生徒が参加してくれました。
今回で4回目となるこのちまづくり提案に対して、各中学校も3年生の総合学習の地域学習の内容とリンクさせ授業に組み込んで取り組む学校もあり、生徒達の課題把握力は年々高度になっていることを実感します。
また、課題解決プラン作成のための、事前調査やヒアリングを実施している学校もあり、生徒達の提案はより具体的になり、実現可能性が高まっています。
今回全ての学校に共通して現れていたのは、生徒達が地域性(地元性)を越えて企画提案をしていることです。中学生は、小学校も中学も(地元の)地域の学校に所属していますが、既に市行政(郡上市)単位でものごとを考えるようになっているということです。
白鳥の生徒が明宝の商品開発を考えたり、八幡の生徒が白鳥の食材を開発したり、郡上踊りだけでなく、白鳥おどりとの交流を提案するなど、市という一つの単位で解決策を考えるという思考となっています。
合併し11年目に入ったことを考えれば、当然の結果かもしれませんが、大人はまだ以前の町村単位の"わがまち意識"を引きずっている現実を考えればこれは大きな違いです。
今回の7つの提案のタイトルと取組み概要を下記に記載しました。
今回からは、生徒の課題解決提案のプレゼンに留まらず、会場の参加者から提案意見に対する参考意見を求めました。
全ての提案に対して、参加者から参考意見が述べられましたが、行政サイドから発言する人がいないのは残念でした。
議会ではないので、回答したことにすぐ責任が発生すると考えるのは、市民協働を進めようとする行政の姿勢とは受け止められません。
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